セサミンとセサミノール

みなさんはセサミノールというのをご存知でしょうか?初めて聞いたという方も多いかもしれません。しかし、セサミノールは今、そのすぐれた健康効果が明らかになり、熱い注目を浴びています。

今回はこのセサミノールについて、セサミンとの関係に触れつつ詳しくお話したいと思います。

セサミノールとは?

まず、セサミノールについて少し説明します。

セサミノールとは?

セサミノールはセサミンと同じゴマリグナンの1種です。

ゴマリグナンはゴマに含まれるポリフェノール成分で、セサミン、セサモリン、セサモール、セサミノール、セサミノール配糖体等があります。ただ、ゴマ自体にはセサミノールはほとんど含まれていません。

セサミノールは主に次の2つの過程で他のゴマリグナンからつくられます。

(1)ゴマサラダ油の製造過程

まず、ゴマサラダ油を製造する過程です。ゴマサラダ油は、焙煎ゴマ油と異なり、無色無臭です。これはゴマサラダ油を製造する過程で脱臭・脱色がおこなわれるためです。そして、この脱臭・脱色の過程でセサモリンがセサミノールに変化します。そのため、ゴマサラダ油にはゴマにはほとんど含まれていないセサミノールが豊富に含まれています。

(2)消化・吸収の過程

次は、消化・吸収の過程です。ゴマにはセサミノール配糖体というゴマリグナンの1種が豊富に含まれています。このセサミノール配糖体は、腸で腸内細菌の持つβ-グルコシダーゼという酵素により代謝されると、サセミノールに変化します。こうして、消化・吸収の過程でもセサミノールがつくられます。

このようなセサミノールは、セサミンと同じく、ポリフェノールの1種として、さまざまな健康効果があります。

セサミノールの健康効果

セサミノールには主に次のような健康効果があります。

・動脈硬化を予防する
・老化を予防する

以下、セサミンと比較しながら、これらのセサミノールの働きについて詳しくみていくことにしましょう。

セサミンとセサミノールの動脈硬化や老化を予防する働き

動脈硬化を予防する

セサミンとセサミノールには動脈硬化を予防する働きがあります。

動脈硬化とは?

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まず、動脈硬化について簡単に説明します。

血液中の脂質が活性酸素によって酸化されると、過酸化脂質ができます。この過酸化脂質は有毒で、血管の内側を覆っている血管内皮細胞を傷つけます。すると、血液の成分が血管に浸み込まないようにしている血管内皮細胞のバリア機能が衰えて、LDLコレステロール(以下、悪玉コレステロールと呼びます)が血管壁に浸み込んできます。

こうして、血管壁に浸み込んできた悪玉コレステロールが血管壁の内部で活性酸素によって酸化されます。この酸化された悪玉コレステロールは有毒で「掃除屋」白血球によって処理されます。ところが、この酸化された悪玉コレステロールがあまりにも多すぎると、白血球は処理しきれずに膨れ上がって死んでしまいます。そして、血管の内部に酸化された悪玉コレステロールやそれを食らい込んだまま死んだ白血球の死骸が膿のようにして溜まっていきます。

こうして、血管が狭く硬くなっていくのが動脈硬化です。

活性酸素とは?

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上述の説明からもお解りのように、動脈硬化には活性酸素が深く関わっています。

このような活性酸素は、元々は私達が呼吸によって体内に取り込んだ普通の酸素です。この普通の酸素が細胞のエネルギー生産等に伴って活性酸素に変わるのです。私達が呼吸によって取り込んだ酸素の約2%程度が活性酸素に変わります。

この活性酸素は、普通の酸素に比べると電子の状態が不安定で、強い酸化力があります。それゆえ、免疫系では私達の体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦う有力な武器になります。しかしその反面で、私達自身の体をも酸化させてサビつかせ、私達の体にさまざまな害を与えます。

例えば、動脈硬化の他にも、細胞のDNAを酸化させて破壊し老化の原因になったり、肝細胞を酸化させてダメージを与え、肝機能を低下させたりします。

セサミンとセサミノールの抗酸化力

この活性酸素に対抗する力が抗酸化力です。

セサミンは、小腸で吸収された後、門脈を通って直接肝臓に届き、肝臓で代謝されることによって、次のような優れた抗酸化力を発揮するようになります。

・活性酸素を発生させる酵素、NADPHオキシダーゼの働きを抑えて、活性酸素の発生自体を抑える。
・不足した電子を与えて、電子の状態を安定させ、すでに発生した活性酸素を速やかに無毒化する

そして、このような抗酸化力は、ポリフェノールの1種として、セサミノールにもあります。

セサミノールは、ゴマリグナンの中でも、最も化学的に安定していて、最も強い抗酸化力があります。それゆえ、腸から吸収されたセサミノールは、そのまま血液中に入って、私達の全身で優れた抗酸化力を発揮します。

こうして、セサミンとセサミノールは優れた抗酸化力による次の2つの働きで動脈硬化を予防します。

・活性酸素によって血液中の脂質が酸化され過酸化脂質ができるのを抑える
・活性酸素によって血管壁に浸み込んだ悪玉コレステロールが酸化されるのを抑える

老化を予防する

セサミンとセサミノールには老化を予防する働きがあります。

老化とは?

まず、老化について簡単に説明します。

私達の細胞は活性酸素等によってDNAが酸化され修復できない程に傷つけられると、がん化を防ぐために、それ以降の細胞分裂を停止します。こうして細胞分裂を停止した細胞を老化細胞といいます。

この老化細胞は、DNAが酷く傷ついているために、正常な細胞と比べると、機能が低下しています。それゆえ、老化細胞が増えると、私達の体は機能が全体的に衰えてしまいます。これが老化の正体です。

セサミンとセサミノールの抗酸化力

これに対して、セサミンとセサミノールは、優れた抗酸化力によって、細胞のDNAを活性酸素の害から保護して、細胞の老化細胞化を抑え、老化を予防します。

まとめ

では、最後に今回の話のポイントを簡単にまとめておきましょう。セサミンとセサミノールには、ポリフェノールの1種として、優れた抗酸化力があり、次のような健康効果があります。

・動脈硬化を予防する
・老化を予防する

ゴマサラダ油にはこのようなセサミンやセサミノールが豊富に含まれています。日々の食生活に積極的に取り入れてみられてはいかがでしょうか?

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