セサミンとローヤルゼリーのW効果で生活習慣病を予防する!
ゴマに含まれるポリフェノール成分、セサミンと、ミツバチの分泌物で女王バチを育てるローヤルゼリーはさまざまな健康効果があることで知られています。今回はその健康効果のなかでも特に生活習慣病の予防に的を絞って詳しくお話したいと思います。
ローヤルゼリーとは?
まず、ローヤルゼリーについてお話します。
ローヤルゼリーとは?
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ローヤルゼリーとは、ミツバチが、食べた花粉や蜂蜜を原料にして、大アゴ腺等から分泌したものです。このローヤルゼリーで育てられたハチの幼虫は、女王バチになり、体長は普通の働きバチの3倍以上、寿命は約40倍になり、毎日2000個もの卵を産み続けるようになります。
ローヤルゼリーの栄養素
このような驚異的な女王バチの生命力を支えるローヤルゼリーですが、「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養豊富です。
3大栄養素の糖質、タンパク質、脂質をバランスよく含むと共に、次のような希少なビタミン類、ミネラル類、特有の成分を豊富に含んでいます。
・ビタミン類
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・イノシトール
・ナイアシン
・葉酸
・コリン
・ビオチン
・パントテン酸
・ミネラル類
・鉄
・銅
・亜鉛
・マグネシウム
・マンガン
・カルシウム
・ナトリウム
・カリウム
・リン
・特有の成分
・デセン酸
ローヤルゼリーの働き
このように、「完全栄養食品」の名に恥じない栄養豊富なローヤルゼリーですが、次のような優れた健康効果があります。
・血圧を下げる
・中性脂肪、コレステロールを下げる
・インスリン抵抗性を下げ、インスリンを効きやすくする
・肩こり等の更年期障害の症状を緩和する
・骨粗鬆症を予防する
・加齢による筋力の低下を予防する
・冷えを予防・改善する
・乾燥、しわ、しみ等の肌トラブルを予防・改善する
・口内炎の症状を緩和する
・耳鳴りを緩和する
・精神的な不安を緩和する
このようにさまざまな健康効果のあるローヤルゼリーですが、以下、セサミンとのW効果で生活習慣病を予防する効果に的を絞ってお話していきます。
セサミンとローヤルゼリーのW効果で生活習慣病を予防する働き
このようにローヤルゼリーにはさまざまな生活習慣病を予防する働きがありますが、セサミンにもさまざまな生活習慣病を予防する働きがあります。そして、この2つの栄養素には、共通する働きがあり、一緒にとると、W効果によって生活習慣病を予防する効果を高めることが期待できます。以下、詳しくお話します。
血圧を下げる
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ローヤルゼリーには血圧を下げる働きがあることが実験的に確かめられています。
1グループ15名程度の4グルーブに、ローヤルゼリータンパク質加水分解物(ローヤルゼリーに含まれるタンパク質を吸収しやすいように分解したもの)を含む4種類のカプセル(表1参照)を、毎日4週間飲んでもらいました。すると、A、Bのカプセルを飲んでもらったグループに比べて、C、Dのカプセルを飲んでもらったグループは、血圧が有意に低下しました。
表1 ローヤルゼリータンパク質加水分解物の含有量
A プラセボ(比較用に全く含まない) B 500mg C 1000mg D 5000mg この結果は、ローヤルゼリーに含まれるローヤルゼリーペプチドが、血圧を上げる働きのあるアンジオテンシンⅠ変換酵素の働きを抑制するためだと考えられています。
そして、同様にセサミンにも血圧を下げる働きがあります。
セサミンは、腸で吸収された後、門脈を通って、直接肝臓に届き、肝臓で代謝されることによって、優れた抗酸化力を発揮するようになります。抗酸化力とは、活性酸素の発生自体を抑制し、また、発生した活性酸素を無害化する能力をいいます。
活性酸素は呼吸等の生命活動に伴って私達の体内で常に発生しています。通常ならこの活性酸素は、私達の体に元々備わったスーパーオキシドジスムターゼ等の抗酸化酵素の働きで、速やかに無害化されます。しかし、紫外線、環境汚染物質、ストレス等のためにこの抗酸化酵素の処理能力を超えて、過剰に発生すると、処理しきれなかった活性酸素が私達の体にさまざまな害を与えます。例えば、DNAを傷つけてがんの原因になったり、血中の脂質を酸化させて動脈硬化の原因になったりします。
血圧との関係で言うと、血管、特に私達の血管の99%を占める毛細血管を緩めて広げ血圧を下げる働きのあるNO(一酸化窒素)を酸化させて、その働きを奪ってしまいます。
セサミンは、その優れた抗酸化力によって、活性酸素の害からこのNOを保護します。また、血管の内部を覆っている血管内皮細胞に働きかけてNOの産出自体を増やす働きもあります。
こうして、一緒に摂ると、セサミンとローヤルゼリーはW効果で血圧を効果的に下げます。
血中脂肪、コレステロールを下げる
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ローヤルゼリーには血中の中性脂肪やコレステロールを下げる働きがあります。
コレステロールが過剰に増えてしまう原因の1つに肝臓におけるリポタンパク質(コレステロールを血液に溶かすための物質)の過剰な分泌があります。
試験管内での実験になりますが、ローヤルゼリーにはこのリポタンパク質の肝臓における分泌量を1/5に抑える働きがあることが確認されています。
また、マウスの実験になりますが、ローヤルゼリーには中性脂肪の増加を抑える働きがあることも実験的に確認されています。
そして、このコレステロール、中性脂肪を下げる働きはセサミンにもあります。
コレステロール、中性脂肪の血中濃度は肝臓における脂肪酸の分解・燃焼とその合成の量に深く関係しています。
肝臓における脂肪酸の分解・燃焼の量が増えれば、コレステロール、中性脂肪の血中濃度は下がります。また、肝臓における脂肪酸の合成の量が増えれば、コレステロール、中性脂肪の血中濃度も上がります。
セサミンは、前述したように、小腸で吸収された後、門脈を通って、直接肝臓に届きます。そして、関係する酵素に遺伝子的に働きかけて、肝臓における脂肪酸の分解・燃焼を促進し、また、脂肪酸の合成を抑制します。
また、セサミンには次の3つの働きで特にコレステロールの血中濃度を下げる働きもあります。
・コレステロールの合成にかかわるHMG-CoA還元酵素の働きを抑えて、肝臓におけるコレステロールの合成を抑制する
・コレステロールの輸送にかかわるタンパク質、ABCG5/ABCG8の量を増やして、胆汁へのコレステロールの排出を促進する
・腸におけるコレステロールの吸収を抑制する
こうして、一緒に摂ると、セサミンとローヤルゼリーはそのW効果でコレステロール、中性脂肪を効果的に下げます。
骨粗鬆症を予防する
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健康な骨は、破骨細胞による骨吸収(骨を壊す働き)と骨芽細胞による骨形成(骨をつくる働き)のバランスの上に維持されています。このバランスが崩れると、骨が脆く弱くなり骨粗鬆症になります。
この骨吸収と骨形成のバランスに関して大切な働きをしているのが女性ホルモン、エストロゲンです。エストロゲンには、骨吸収を抑制し、また、骨形成を促進する働きがあります。特に閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのは、閉経に伴ってこのエストロゲンが急激に減少してしまうためです。
このエストロゲンに似た働きをエストロゲン様作用といいますが、ローヤルゼリーには、このエストロゲン様作用があり、骨粗鬆症の予防に効果的なことが実験的に確かめられています。
また、セサミンも、腸の腸内細菌によって代謝されることによって、エストロゲン様作用を発揮するようになることがわかっています。
こうして、一緒に摂ると、セサミンとローヤルゼリーはW効果で骨粗鬆症を効果的に予防します。
まとめ
では、最後にここまでの話を簡潔にまとめておきましょう。セサミンとローヤルゼリーは一緒に摂るとそのW効果で次のような生活習慣病を効果的に予防する働きをします、
・血圧を下げる
・血中のコレステロール、中性脂肪値を下げる
・骨の吸収を抑え、また、骨の形成を促進する
セサミンとローヤルゼリーには生活習慣病の予防に限ってもこれだけの優れた健康効果があります。是非、日々の食生活に積極的に取り入れていただけたらと思います。