セサミンとポリフェノールのW効果で生活習慣病や老化を予防する!
セサミンはゴマに豊富に含まれるポリフェノールの1種です。ポリフェノールには、他にも、大豆に含まれる大豆イソフラボン、カカオ豆に含まれるカカオポリフェノール、赤ワインに含まれるレスベラトロール等多くのものがあります。いずれもさまざまな優れた健康効果を持つものとして広く知られています。
今回は、セサミンとこれらのポリフェノールのW効果によって、老化や生活習慣病を効果的に予防する働きについて詳しくお話したいと思います。
ポリフェノールとは?
まず、ポリフェノールについて簡単に説明します。
ポリフェノールとは?
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ポリフェノールとは、植物が紫外線や虫から自分を守るためにつくる化学物質で、植物の色素成分や苦み・渋味成分です。自然界には実に8000種類以上ものポリフェノールが存在するといわれています。
このようなポリフェノールは、今、その優れた抗酸化力に着目されて、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維に続く、「第7の栄養素」ファイトケミカルとして、注目を浴びています。
代表的なポリフェノール
前述したように、ポリフェノールには実に多くの種類がありますが、代表的なポリフェノールとしては次のようなものがあります。
含む食品 | |
---|---|
レスベラトロール | 赤ワイン |
大豆イソフラボン | 大豆 |
カカオポリフェノール | ココア、カカオ豆 |
茶カテキン | 緑茶 |
コーヒーポリフェノール | コーヒー |
紅茶ポリフェノール | 紅茶 |
クルクミン | ウコン |
アントシアニン | ブルーベリー |
いずれも、優れた抗酸化力があり、生活習慣病や老化の予防等のさまざまな優れた健康効果があります。
このようなポリフェノールは、セサミンと一緒に摂ると、W効果でさらに効果的に老化や生活習慣病を予防します。以下、詳しくみていきます。
セサミンとポリフェノールのW効果で老化を予防する働き
老化とは
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まず、老化について少し説明します。
私達の細胞は、活性酸素によってDNAが酸化され修復できない程に傷つけられると、がん化を防ぐために、それ以降細胞分裂を停止します。こうして、細胞分裂を停止した細胞を老化細胞といいます。
老化細胞は、DNAが傷ついているために、普通の細胞に比べ機能が低下しています。したがって、この老化細胞が増えていくと、私達の体全体の機能が衰えてしまいます。これが老化の正体です。
このように、老化には活性酸素が密接に関係しています。
活性酸素とは
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活性酸素は、元をただせば、私達が呼吸によって体内に取り込んだ酸素です。しかし、活性酸素は、"活性"酸素と言われるように、普通の酸素に比べると、電子の状態が不安定で、強力な酸化力があります。それゆえ、私達の体をサビつかせて、私達の体にさまざまな害を与えます。
この活性酸素に対抗する力が抗酸化力です。
抗酸化力を持つポリフェノール
よく赤ワインには老化を予防する働きがあるといいます。これは、赤ワインに豊富に含まれる、アントシアニン、レスベラトロール、タンニン等のポリフェノールの働きによるものです。つまりポリフェノールには、優れた抗酸化力があり、活性酸素の害から細胞のDNAを保護して、細胞が老化細胞化するのを防ぎ、老化を予防する働きがあるのです。
そして、このような抗酸化力は、同じくポリフェノールであるセサミンにもあります。
セサミンは、小腸で吸収された後門脈を通って直接肝臓に届き、そこで代謝されることによって、次のような優れた抗酸化力を発揮するようになります。
・活性酸素を発生させる酵素、NADPHオキシダーゼの働きを抑えて、活性酸素の発生自体を抑制する
・不足した電子を与えて、不安定な電子の状態を解消し、発生した活性酸素を速やかに無害化する。
こうして、セサミンとポリフェノールは、その優れた抗酸化力のW効果で、細胞のDNAを活性酸素の害から保護して、細胞が老化細胞化するのを防ぎ、老化を予防します。
セサミンとポリフェノールのW効果で生活習慣病を予防する働き
セサミンとポリフェノールには、共に優れた生活習慣病を予防する働きがあり、一緒に摂ると、次のようなW効果で効果的に生活習慣病を予防します。
血液中の脂質が酸化されるのを防ぐ
中性脂肪やコレステロール等の血液中の脂質が活性酸素によって酸化され、過酸化脂質ができると、動脈硬化の原因になります。
フレンチパラドックス
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フランス人は、バター等の動物性の脂肪をたくさん取っているのに、心疾患の死亡率が低い、これをフレンチパラドックスといいます。
研究の結果、このフレンチパラドックスは、フランス人がよく飲んでいる赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールのお陰であることがわかりました。
赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールが、優れた抗酸化力によって、活性酸素により過酸化脂質ができるのを防いで、動脈硬化を予防していたのです。
セサミンの抗酸化力
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そして、セサミンにも、赤ワインのポリフェノールと同様に、優れた抗酸化力があり、血液中の脂質が活性酸素によって酸化され、過酸化脂質ができるのを防ぎます。
健康な成人男子6名を2つのグループにわけ、それぞれ、A、Bの2種類のカプセル(表1参照)を飲んでもらった後に、激しい運動をしてもらい、運動中に何回か血液検査をしました。すると、Aのカプセルを飲んでもらったグループに比べて、Bのカプセルを飲んでもらったグループは、活性酸素による血液中の過酸化脂質の生成が有意に抑制されていました。
表1:各カプセルの内容
Aのカプセル 比較のために何も含まない Bのカプセル セサミン 36mg このように、セサミンとポリフェノールは、優れた抗酸化力のW効果で、活性酸素によって血液中の脂質が酸化され、過酸化脂質ができるのを防ぎます。
認知機能を維持する
加齢に伴って認知機能が低下すると、やがてアルツハイマー型認知症につながります。
このアルツハイマー型認知症にも活性酸素が深く関係していて、優れた抗酸化力があるポリフェノールには、認知機能を維持して、アルツハイマー症を予防する働きがあるのではないかと期待されています。
これは、フランスでおこなわれている研究になりますが、65歳以上の高齢者3800人を3年間追跡調査しました。すると、ポリフェノールを豊富に含む赤ワインを、毎日グラスに3~4杯飲んでいる人は、飲んでいない人に比べて、アルツハイマー型認知症のリスクが1/4になりました。
また、セサミンも、優れた抗酸化力によって、神経細胞内の「エネルギー生産工場」ミトコンドリアを活性酸素の害から保護します。そうして神経細胞の細胞死を防ぎ、アルツハイマー型認知症を予防します。
こうして、セサミンとポリフェノールは、優れた抗酸化力のW効果で、効果的に、認知機能を維持して、アルツハイマー症を予防します。
まとめ
では、最後にここまでの話を簡潔にまとめておきましょう。セサミンとポリフェノールは次のようなW効果で生活習慣病や老化を効果的に予防します。
・老化の予防
・細胞の老化細胞化を防ぐ
・生活習慣病の予防
・血液中の脂質の酸化を防ぐ
・認知機能を維持する
みなさんも、是非、このようなセサミンとポリフェノールのW効果を上手に活用して、いつまでも元気に若々しくいていただけたらと思います。