セサミンで血圧を下げる!
厚生労働省がおこなっている「平成28年 国民生活基礎調査」によれば、通院者が通院する理由の第1位は男女ともに高血圧になっています。また、同じく厚生労働省がおこなっている「平成26年 患者調査」によれば、高血圧の患者数は実に1000万人を超えると考えられています。このように私達にとって非常に身近な高血圧ですが、ゴマに含まれるポリフェノール成分、セサミンには血圧を下げる働きがあることがわかっています。
今回はこのセサミンが血圧を下げる働きについて詳しくお話したいと思います。
高血圧とは?
まず、高血圧について少し詳しくお話したいと思います。
定義
高血圧とは血圧が一定以上に高い状態をいいます。具体的には次のような基準で判断されます。
・収縮期血圧(心臓が血液を送り出すときの最も高い血圧) 140mmHg以上
・拡張期血圧(心臓に血液が戻ってくるときの最も低い血圧) 90mmHg以上
この2つの基準のうちのどちらか一つを超えると、高血圧ということになります。
原因
高血圧の原因には遺伝的な原因と環境的な原因があります。
遺伝的な原因
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両親の両方が高血圧だと、子供の約50%が高血圧になり、両親のどちらか一方が高血圧だと、子供の約30%が高血圧になるといわれています。
両親の両方または片方が高血圧の場合、注意が必要になります。
環境的な原因
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高血圧は遺伝的な原因に生活習慣等の環境的な原因が加わって発症します。高血圧の環境的な原因としては次のようなものがあります。
・食塩の摂り過ぎ
・肥満
・運動不足
・アルコールの摂り過ぎ
・喫煙
・ストレスこのように高血圧の原因には環境的な原因も深くかかわっており、遺伝的に高血圧を発症しやすい人でも生活習慣に注意することで高血圧の発症を遅らせたり、防いだりすることができます。
危険性
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれています。これは、高血圧は、自覚症状がほとんどなく、しかも命にかかわる重篤な病気を引き起こすリスクを高めるからです。具体的には次のような病気のリスクを高めます。
・動脈硬化
・脳梗塞
・脳出血
・くも膜下出血
・心筋梗塞
・狭心症
・大動脈瘤
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では、具体的に高血圧はどの程度これらの病気のリスクを高めるのでしょうか?40歳から90歳未満の日本人、約4万人について、10年の期間で、高血圧と循環器疾患(脳梗塞、脳出血、心筋梗塞等)による死亡率の関係を調べた研究がありますのでその結果をご紹介します。この研究によれば、次のことがわかりました。
・男性について、正常血圧(上が120-129mmHg、下が80-84mmHg)に対して、循環器疾患による死亡リスクが、Ⅰ度高血圧(上が140-159mmHg、下が90-99mmHg)で約1.5倍、Ⅲ度高血圧(上が180mmHg以上、下が110mmHg以上)で約2.5倍になりました。
・女性について、正常血圧に対して、循環器疾患による死亡率が、Ⅰ度高血圧で約1.3倍、Ⅲ度高血圧で約1.5倍になりました。
このように血圧が高ければ高いほど循環器疾患による死亡率が高まる傾向にあります。しかし、降圧剤によって早期にきちんと治療すればこの死亡率は下げることができます。血圧の高い方は自己判断せずにできるだけ早期にお医者さんにご相談なさることをおススメします。
セサミンと血圧の関係
このように私達にとって身近で、しかもサイレントキラーと呼ばれるように非常に恐ろしい高血圧ですが、セサミンには、優れた抗酸化力によって、活性酸素自体の発生を抑え、また、活性酸素を無害化して、血圧を下げる働きがあることがわかっています。
以下、詳しく説明していきます。
NO(一酸化窒素)と活性酸素
私達の血管の内側は血管内皮細胞によって覆われています。この血管内皮細胞は血液の成分が血管内部に浸み込んでこないようにするバリアの役割等さまざまな機能を持っています。
この血管内皮細胞の機能の中の一つにNO(一酸化窒素)を産出する働きがあります。NOには血管を弛緩させ拡張する働きがあります。
ところが、このNOは、活性酸素に弱く、活性酸素によって酸化されると、その働きを失ってしまいます。
活性酸素は過剰に産出されると私達の体にさまざまな害を与えますが、本来、私達の体の中で細菌やウイルスを殺す等のさまざまな大切な役割をはたしています。
そして、このNOの働きを失わせる活性酸素の発生について大きな役割を果たしているのが、次に述べるNADPHオキシダーゼです。
NADPHオキシダーゼ
NADPHオキシダーゼは私達の体内で活性酸素の産出にかかわる酵素です。
高血圧になると、このNADPHオキシダーゼの活性が高まり、活性酸素の発生が増加する結果、NOの働きが阻害され、血管、特に毛細血管の収縮を招いて、高血圧が引き起こされると考えられています。
血圧を下げるセサミンの働き
以上をふまえて、セサミンの血圧を下げる働きについて説明します。
まず、セサミンにはNADPHオキシダーゼの活性を抑制して、活性酸素の発生自体を抑制する働きがあります。また、その優れた抗酸化力によって発生した活性酸素を無害化する働きもあります。
このようにしてセサミンにはNOの働きが活性酸素によって奪われることを防ぐ働きがあります。
また、セサミンには血管上皮細胞に働きかけてNOの産出を増やす働きもあります。
このように、セサミンは、NOの活性を維持し、または、NOの産出を増やすことによって、血管、特に毛細血管を拡張して、血圧を下げる働きがあるというわけです。
まとめ
以上をまとめると、セサミンには、次のような働きによって、血管、特に毛細血管を拡張して、血圧を下げる働きがあります。
・ NADPHオキシダーゼの活性を抑制して、活性酸素の発生自体を抑える
・ 優れた抗酸化力により発生した活性酸素を無害化して、NOの働きが活性酸素により奪われるのを防ぐ
・血管内皮細胞に働きかけてNOの産出を増やす
健康診断等で血圧が高く高血圧が心配な方はこのようなセサミンの健康パワーを積極的に活用してみられてはいかがでしょうか?