胃腸で分解されないセサミン

「セサミンは胃腸で分解されない」という話をよくネットで見聞きします。この話はいったい本当なのでしょうか?

今回はこの「セサミンは胃腸で分解されない」という話を詳しく検証したいと思います。

セサミンは、胃で消化されず、腸に届く

まず、胃が私達の体内でどのような機能を果たしているのかを簡単に説明します。

胃は私達の体内で主に次の3つの働きをしています。

・タンパク質分解酵素、ペプシン等による消化
・胃酸による殺菌
・食物の一時的な貯蔵

このように胃で消化されるのは主にタンパク質で脂質はほとんど消化されません。セサミンは脂溶性なので、脂質と同様に消化・吸収されます。つまり、セサミンは胃では消化されずにそのまま腸に届きます。

腸に届いたセサミンは腸でも消化されずに小腸から吸収され門脈を通って直接肝臓に届く

胃でほとんど消化されずに腸に届いた脂肪は、胆汁の助けを借りつつ、脂肪分解酵素リパーゼの働きによって、消化・吸収されます。この時、セサミンは脂肪そのものではありませんのでリパーゼの影響は受けませんが、脂肪と一緒に小腸から吸収されます。

こうして小腸で吸収されたセサミンは、胃腸の毛細血管が集まってできた門脈を通って直接肝臓に届きます。

このように、確かにセサミンは胃腸で消化されません。「セサミンは胃腸で分解されない」という話は、単なる都市伝説ではなく本当の話だったというわけです。

肝臓に届いたセサミンはその後どうなる?

では、こうして直接肝臓に届いたセサミンはその後どうなるのでしょうか?以下、詳しくお話します。

肝臓の機能全体を高める

さらに読む

「生体の化学工場」である肝臓は、私達の体の中で代謝、解毒、胆汁の生成・分泌等のさまざまな重要な役割を担っています。肝臓でおこなわれる化学反応は実に500種類を超えます。それゆえ、肝臓では活性酸素が発生しやすく、体全体のほぼ8割の活性酸素が肝臓で発生します。

活性酸素は、元々は私達が呼吸によって体内に取り込んだ酸素が変化したもので、強力な酸化力があります。それゆえ増えすぎてしまうと有毒で、私達の体をサビつかせて、さまざまな害を私達の体に与えます。

肝臓でも、肝細胞を酸化させて、これにダメージを与え、肝臓の機能全体を低下させます。

これに対して、肝臓に直接届いたセサミンは、肝臓で代謝されることによって、優れた抗酸化力を発揮するようになります。抗酸化力とは、活性酸素の発生自体を抑制し、また、発生した活性酸素を無害化する能力をいいます。

セサミンは、活性酸素を発生させる酵素NADPHオキシダーゼの働きを抑えて、活性酸素の発生自体を抑制します。さらに、すでに発生した活性酸素を速やかに無害化して、活性酸素の害から肝細胞を保護して、肝臓の機能全体を高めます。

肝臓の解毒機能を高める

さらに読む

前述したように、肝臓の果たしている機能の1つに解毒機能があります。解毒機能とは、体内の老廃物や有毒物質を無害化し、水に溶けやすい形にして尿や糞として体外に排出する働きをいいます。セサミンにはこの肝臓の解毒機能を高める働きがあります。以下、アルコールの分解と解毒機能全体にわけてお話します。

アルコールの分解を促進する

さらに読む

私達が摂取したアルコールは、肝臓で、まずアルコール脱水素酵素の働きによって、アセトアルデヒドになります。このアセトアルデヒドは有毒で、悪酔いや二日酔いの原因になります。

次に、このアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きで無害な酢酸になります。この酢酸はやがて二酸化炭素と水になって私達の体から出ていきます。

セサミンは次の2つの働きで、この肝臓におけるアルコールの分解を促進します。

・肝臓を活性酸素の害から保護して、肝臓の機能全体を高める
・遺伝子レベルで働きかけて、アセトアルデヒド脱水素酵素の量を3~4倍に増やす

このようなセサミンのアルコールの分解を促進する働きは、実験でも確かめられています。

お酒の弱い男性9人に、1週間、2種類のチョコレート(表1参照)を食べてもらった後、アルコールを摂取してもらい、顔面の表面温度をサーモグラフィーでモニターしました。その結果、Aのチョコレートを食べてもらったグループに比べて、Bのチョコレートを食べてもらったグループは、有意にアルコールの分解が促進されていることが確認されました。

表1:各チョコレートの内容

Aのチョコレート 比較用に何も含まない
Bのチョコレート セサミン100mgを含む

解毒機能全体を高める

さらに読む

セサミンは、アルコールの分解の促進の他にも、肝臓の解毒機能全体を次の働きで高めます。

・活性酸素の害から肝臓を保護して、肝臓全体の機能を高める
・遺伝子レベルで働きかけて、肝臓の解毒酵素シトクロムP450やグルタチオンS-転移酵素の量を増やす

このように、胃や腸で消化されずに直接肝臓に届いたセサミンは、特に肝臓でその真価を発揮します。

まとめ

では、最後に今回の話を簡単にまとめておきましょう。

・セサミンは、胃や腸で消化されずに直接肝臓に届き、特に肝臓でその真価を発揮して、次のような働きをする
・肝臓の機能全体を高める
・肝臓の特に解毒機能を高める
 ・アルコールの分解を促進する
 ・解毒機能全体を高める

このように、「セサミンは胃腸で分解されない」という話は単なる噂話ではなく、本当の話だったというわけですね。

Rankingランキング

  • これがイチオシ!セサミンリッチの公式ページ
  • ごまセサミンの公式ページ
  • ごま酢セサミンの公式ページ

Otherその他の記事