ゴマで便秘を解消する!
みなさんの中には便秘でお悩みの方も多いことかと思います。特に女性は便秘で悩まれている方が多いわけですが、ゴマには便秘を解消する働きがあることをご存知でしたか?
今回はこのゴマの便秘を解消する働きについて詳しくお話したいと思います。
便秘とは?
まず、便秘について説明しましょう。
種類
特定の病気が原因ではない、いわゆる便秘には次の3種類があります。
・弛緩性便秘
腸の活動が低下し、ぜん動運動が十分におこなわれないためにおこる。お腹が張る、食欲が低下する、肩こり、肌荒れ、イライラ等の症状がある
・痙攣性便秘
自律神経のバランスの乱れから、腸が過度に緊張しておこる。下部腹痛や下痢を伴うことも多い
・直腸性便秘
通常、便が直腸に達すると排便反射がおこり排便できるが、便が直腸に達しても排便反射がおこらず排便できなくなっておこる。仕事の都合や羞恥心から排便を我慢する習慣のある人に多い
原因
では、それぞれ便秘の種類別にその原因をみていくことにしましょう。
・弛緩性便秘
・運動不足
・水分、食物繊維、脂質等の摂取不足
・腹筋力の低下
・極端なダイエット
・全身的な衰弱
・痙攣性便秘
・精神的なストレス
・環境の変化
・直腸性便秘
・便意を抑制する習慣
このような便秘、特に痙攣性便秘に関連して精神的・身体的ストレスが高い現代社会において問題になっているのが過敏性腸症候群です。
過敏性腸症候群
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過敏性腸症候群は、さまざまな精神的・身体的ストレスにより自律神経のバランスが乱され、腸のぜん動運動が異常になることによって、発症します。腹痛を伴って便秘と下痢を繰り返し、排便すると症状が緩和されるのが典型的な症状です。その主な原因は次の2つです。
・恐怖、不安、緊張、悲しみ等の精神的なストレス
・過労、睡眠不足、不規則な生活・食事等の身体的なストレス日本人の約10~15%がこの過敏性腸症候群とされており、現在、大きな問題となっています。
ゴマの便秘を解消する働き
では、以上をふまえて、ゴマの便秘を解消する働きについてお話します。ゴマの便秘を解消する働きは、ゴマに豊富に含まれる次の3つの成分の働きによります。
不溶性食物繊維
まず、食物繊維は水に溶けるかどうかによって次の2つにわけられます。
・不溶性食物繊維
水に溶けないタイプの食物繊維で、穀物、野菜、豆類等に多く含まれる
・水溶性食物繊維
水に溶けるタイプの食物繊維で、昆布、わかめ、里芋等に多く含まれる
この2種類の食物繊維にはおのおの次のような働きがあります。
・不溶性食物繊維
・よく噛んで食べなければならないので、満腹感を得やすく、食欲が抑えられる。
・胃や腸で水を吸って大きく膨らみ、腸を刺激して、腸のぜん動運動を活発にし、便秘を防ぐ
・腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える(この働きは水溶性食物繊維の方が高い)
・水溶性食物繊維
・粘着性があり、胃や腸をゆっくりと移動するので、お腹がすきにくく、食欲を抑える
・糖質の吸収を緩やかにして、食後の急激な血糖値の上昇を抑える
・コレステロールを吸着して、体外に排出する
・腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える
いずれの食物繊維も、整腸作用があり、便秘の予防・改善に効果的ですが、特に、不溶性食物繊維は、胃や腸で水を吸って大きく膨らみ腸を刺激してそのぜん動運動を活発にしますので、弛緩性便秘に効果的です。
このうち、ゴマに多く含まれるのは不溶性食物繊維で、ゴマ(炒り)で100g中10.1g含まれています。
一般的に食物繊維が豊富なイメージのあるゴボウやキャベツと比べてみると、ゴマは不溶性食物繊維がとても豊富なことがわかります。
※100gあたりの不溶性食物繊維の含有量
ゴマ(炒り) | 10.1g |
---|---|
ごぼう | 3.4g |
キャベツ | 1.4g |
バナナ | 1g |
オレイン酸
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オリーブオイルに豊富に含まれる健康成分として有名なオレイン酸ですが、実は、ゴマにも豊富に含まれています。
オレイン酸には水と油をなじませる働きがあります。この働きを界面活性作用といいます。オレイン酸はこの界面活性作用によって便を軟らかくして排便を促進します。
オレイン酸は便が硬いタイプの便秘に特に効果的です。
セサミン
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痙攣性便秘、特に過敏性腸症候群の背景には自律神経のバランスの乱れがあります。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は私達の体を興奮状態にし、副交感神経は私達の体をリラックス状態にします。
通常、この2つの神経はバランスを取って働いています。しかし、過度の精神的・身体的ストレス等がかかると、この2つの神経のバランスが乱れてしまいます。すると、自律神経の影響を受けやすい腸は、その影響を受けて、ぜん動運動が異常になり、便秘や下痢になります。
ゴマに含まれるポリフェノール成分、セサミンにはこのように乱れた自律神経のバランスを整える働きがあります。
44歳~59歳の更年期障害に悩む女性14名を、セサミンとビタミンEが入ったカプセルを飲んでもらうグループと、何も入っていないカプセルを飲んでもらうグループの2つのグルーブにわけ、それぞれ1日3カプセルを飲んでもらい4週間に渡って経過を観察しました。すると、セサミンとビタミンEが入ったカプセルを飲んでもらったグループは、何も入っていないカプセルを飲んでもらったグルーブにくらべて、自律神経のバランスが有意に改善されていることが確認されました、
また、喫煙者の男性9名を対象とした実験でも同様の結果が確認されています。
まとめ
では、最後にここまでの話を簡潔にまとめておきましょう。ゴマには便秘を解消する次の3つの成分が豊富に含まれています。
・腸のぜん動運動を活発にし、また、腸内環境を整える不溶性食物繊維
・便を軟らかくするオレイン酸
・自律神経のバランスを整えるセサミン
便秘にお悩みの方は、是非、このような便秘の解消に効果的な成分を豊富に含むゴマのパワーを上手に活用してみてはいかがでしょうか?