セサミンの健康効果とは?
セサミンは、ゴマに豊富に含まれるポリフェノール成分で、ゴマリグナンの一種です。老化や生活習慣病の予防等のさまざまな健康効果があります。
では、さっそくセサミンの健康効果について詳しくみていくことにしましょう。
老化を予防する
セサミンには老化を予防する働きがあります。以下、詳しくお話します。
老化の原因、活性酸素とは?
まず、老化の原因、活性酸素について簡単に説明します。
活性酸素は、元々は私達が呼吸によって体内に取り込んだ普通の酸素です。この普通の酸素が、細胞がエネルギーをつくるときなどに、約2%程度の割合で活性酸素に変わります。
ところが、こうして普通の酸素から変わった活性酸素には、普通の酸素にはない強力な酸化力があります。そのため、免疫系では私達の体内に侵入したウイルスや細菌と戦う強力な武器になります。しかし、その反面で、私達自身の体をも酸化させて、私達の体にさまざまな害を与えます。例えば、肝臓の細胞を酸化させてダメージを与え肝臓の機能を低下させます。
老化との関係で言うと、細胞のDNAを酸化させて破壊し、老化の原因になります。
活性酸素と戦うセサミンの抗酸化力
この活性酸素と戦う力が抗酸化力です。
セサミンは小腸で吸収された後、門脈を通って直接肝臓に届き、肝臓で代謝されることによって、次のような優れた抗酸化力を発揮するようになります。
・活性酸素を発生させる酵素の働きを抑えて、活性酸素の発生自体を抑制する
・すでに発生した活性酸素を速やかに無害化する
こうして、セサミンは細胞のDNAを活性酸素の害から保護して、老化を予防します。
生活習慣病を予防する
セサミンは次の4つの働きで生活習慣病を予防します。
内臓脂肪型肥満を予防する
中性脂肪が過剰に蓄積して、内臓脂肪型肥満になると、動脈硬化が進行します。しかし、セサミンには中性脂肪を減らす働きがあります。
内臓脂肪型肥満と動脈硬化の関係
脂肪細胞はさまざまな物質を分泌しています。そのなかには、動脈硬化を促進する物質もあれば、逆に、動脈硬化を抑制する物質もあります。
そして、この二つは通常、脂肪細胞から上手くバランスを取って分泌されています。ところが、中性脂肪が過剰に蓄積して、内臓脂肪型肥満になると、脂肪細胞の働きがおかしくなります。すると、このバランスが崩れて、動脈硬化を促進する物質の分泌が増え、逆に、動脈硬化を抑制する物質の分泌は減ってしまいます。
こうして、内臓脂肪型肥満になると、動脈硬化が進行します。
セサミンの内臓脂肪型肥満を予防する働き
これに対して、セサミンは、次の2つの働きで、肝臓における脂質の代謝を改善して、中性脂肪を減らし、内臓脂肪型肥満を予防します。
・関係する酵素に働きかけて、脂肪酸の分解・燃焼を促進する
・同じく、関係する酵素に働きかけて、脂肪酸の合成を抑制する
血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす
血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増え過ぎると、血液がドロドロになって、動脈硬化が進行します。
しかし、セサミンには内臓脂肪型肥満を予防する働きのところでお話したように、肝臓における脂質の代謝を改善する働きがあります。この働きによって、セサミンは血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らします。
さらに、セサミンは次の3つの働きで特に血液中の悪玉コレステロールを減らします。
・肝臓におけるコレステロールの合成を抑制する
・胆汁へのコレステロールの排出を増やす
・小腸におけるコレステロールの吸収を抑える
こうしてセサミンは、血液をサラサラにして、動脈硬化を予防します。
血圧を下げる
血圧が高いと、血管壁に負担がかかって、動脈硬化が進行します。しかし、セサミンには血圧を下げる働きがあります。以下、詳しく説明します。
NO(一酸化酸素)とは?
まず、NO(一酸化窒素)から説明していきます。
血管壁から分泌されるNOには血管を緩めて広げ血圧を下げる働きがあります。
しかし、このNOは、活性酸素に弱く、活性酸素によって酸化されると、その働きを失ってしまいます。
セサミンの血圧を下げる働き
これに対して、セサミンには老化の予防のところでお話したように優れた抗酸化力があります。
この抗酸化力によって、セサミンは活性酸素の害からNOを保護して、血圧を下げます。
血糖値の上昇を抑制する
血糖値が高すぎると、血管壁が傷つけられて,動脈硬化が進行します。
しかし、セサミンには血糖値の上昇を抑制する働きがあることが実験的に確認されています。
このようにセサミンにはさまざまな優れた健康効果があります。是非、日々の食生活に積極的に取り入れていただけたらと思います。